都市北区の集合住宅で、21歳の女子大学生・濱野日菜子さんが毒性の強いタリウムを摂取され殺害された事件で、容疑者の知人で不動産業を営む宮本一希容疑者(37)が逮捕されました。
容疑者は、被害者である濱野さんのアルバイト先で知り合い、事件当時、2人は飲食店で食事をしてから濱野さんの部屋で酒を飲んでいたとされています。
その後、濱野さんが体調を崩し、容疑者は看病していたと容疑者は任意の調べで説明していたとのことです。
しかし、濱野さんはタリウム中毒による呼吸困難で死亡し、タリウムが吐しゃ物から検出されたことから、容疑者は殺人の疑いが持たれています。
容疑者は逮捕後に黙秘しているため、警察が詳しい経緯を調べています。
宮本一希容疑者(37)のあまりにも不自然な点
現在取り調べを受けている宮本一希容疑者(37)ですが、「事件を起こすようには思えない」等の知人からの意見もあり、真実はまだ不明のままですが
任意聴取の段階では宮本容疑者は「一緒に酒を飲んでいたら浜野さんが急に咳き込み始めたので看病していた。朝になっても症状が改善しないので彼女の母親に連絡した」と説明していた。
Yahoo!ニュースより引用
任意調査の段階で宮本容疑者はこのように供述しています。
酒を飲んでいて急にせき込みはじめて、看病が必要な状況で、
一晩病院にも連れて行かず、救急車も呼ばず、親にも連絡しないって、おかしな状況ですよね。
もし例えば一緒に飲んでいた友人がずっと咳が止まらない状況になったら、明らかに「呼吸困難」な看護が必要であろう状況になったら、その時点で救急病院に連れていくなり、救急車を呼ぶなり、誰かに相談しますよね。
一晩、医療関係者でもない自分が看病出来るような容体ではなかったはずです。
浜野さんと宮本容疑者の出会い
宮本容疑者は不動産業だけでなく、イベントの企画運営の仕事もしていた事が明らかになっており
浜野さんは宮本一希容疑者が経営する会社のイベントを手伝っていたとされる情報がありますが、
その会社が「弘庵」である可能性が高いとされています。
浜野さんと宮本容疑者は、宮本容疑者が関わったイベントが開かれた際に出会ったとみられています。
事件発覚後、宮本容疑者が経営する「弘庵」という会社の存在が問題視されましたが、
その後、インスタグラムやツイッターのアカウントが削除されるなど、詳細な情報は明らかにされていません。
タリウムとは?
タリウムとは、イギリスの物理学者/化学者であるW.クルックスによって、1861年にタリウム(元素記号Tl、原子番号81、原子量 204.3833)が発見されたことが知られています。
タリウムは、ドイツのハルツ地方にある硫酸工場の鉛室沈殿物から分光分析によって発見されました。当時の硫酸製造法において、沈殿物を分光分析したところ、新しい元素が発見されたのです。
タリウムは、スペクトル線が若葉を思わせる黄緑色をしていたことから、「タロス(thallos)」というギリシア語で「若葉」という意味を持つ言葉にちなんで命名されました。
硫酸タリウムは劇薬
タリウムはネズミを駆除するために使う薬品「殺鼠剤」にも使用される「劇薬」です。
タリウムを摂取した場合の初期段階では吐き気や下痢が発生し、腸管内出血が引き起こされることがあります。
四肢の痛みや力が入らない等の脱力感を感じるだけでなく、
運動障害、言語障害、視野狭窄、記憶障害などの症例も報告されています。
また、呼吸筋麻痺のために人工呼吸管理が必要な症例が報告されています。
しかも、致死量は体重1kgあたり10-15mgで、たったの1g以下でも死に至ります。
人間が摂取していいモノではないのは勿論明らかな事ですね。
タリウムは簡単には入手出来ない劇薬
硫酸タリウムなどのタリウム化合物は、法律で劇物に指定された危険な薬品で、摂取すると強烈な神経症状を引き起こすことが知られています。
以前も「硫酸タリウム」を使用した殺人事件がありました。
これに対し、厚生労働省は毒劇物が悪用される事件が発生するたびに、管理徹底を呼びかける通知を都道府県などに出してきました。
現在では毒劇物法により硫酸タリウムを含む毒劇物は18歳未満には販売されておらず、
販売時は氏名、職業、住所を確認し、帳簿に記載しなければならないと定められています。
つまり、現在では簡単には入手出来ない薬物です。
規制が緩かった数年前に何らかの目的で購入したものなのか独自のルートで購入したものなのか不明ですが、
ルートが分かったとしても公表されるべきではなく、徹底的な排除をしなければ、模倣犯が現れる可能性もあります。
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